というわけで、10日前です。
本日は、北九州で、臨床国語教育研究会北九州部会(別名、小倉稲国会)でした。
今、会員の方には、「コミュニケーションの基盤を育てるようなてだてをどのようなこども(たち)にうっているか、またその結果どうなったか」について、1年にわたって自分自身の実践を追跡してもらっています。
その中間報告を、5人の方にやってもらいました。
2時から始まって8時までの6時間。ほんとうに濃い時間でした。
私は、北九州で起こっていることは、そのうち日本全体に起こると思っています。
北九州に通い始めた4年ぐらい前に聞いた、次のような話。
・朝ご飯を食べない子どもがあまりに多いので、学校で朝ご飯給食をやっている
・1年生から、教師に向かって「死ね、殺すぞ」みたいな暴言を吐く子どもがいる
・クラスの3分の一が就学援助をもらっているが、そのうちかなりの数がほんとうの経済的状況ではない。
・児童相談所は、あまりに多くの虐待などの事例が多いので、機能不全になっている
これらは、今、日本中にありふれた話になっています。
そして、今日の話。
・2歳の時親に捨てられ施設に預けられた子ども。3年生になる前に時突然母親が現れお金の余裕ができたというので引き取りに来たにもかかわらず、それをキャンセル。子どもは大荒れの3年生となる。5年のなるときまた母親は引き取りに来て、今度は子どもを引き取って実家にいったのもつかのま、母親は再婚し、新しい男がやってきて、新しい家に住むようになる。母親はその男の子どもを妊娠するが、案の定男は、その子ども、そして妊婦である母親に暴力をくりかえし、母親は流産。子どもと母親は実家に帰るものの、おまえは足手まといだと、母親は子どもに向かっていう。
・両親とも、高校教師。家では両親のいうことを聞いているらしいが、学校では、暴力のかぎりを尽くす4年生。親を呼び出すと、「この子はまだ幼くて」というばかりで、教師の言うことは「はいはい」と聞くがまったく変わらない。「ちゃんと家庭では指導しているのですが」というだけ。この子どもは、第一反抗期がなかったもよう。
あと、いっぱい。
特別な子どもの話をあつめたのではありません。
ある学校は、既に34人中14人が母子家庭で、経済的に苦しい。しかも・・・その何割かには、就学援助期待のペーパー離婚の可能性がある・・・
ある学校の3年生は、現在行方不明。母親が新しくできた男と3人で南九州に逃亡中。たまたまその母親の携帯を子どもがもっていて、担任がかけた電話とつながった。
「今どこにいると?」
「庭」
「どこの庭?」
「霧島というとこ」
「家にはだれがいるの?」
「おかあさん」
「おかあさんと」
「男の人が5人」
「5人・・・」
たぶん、子どもを庭に出して、母親は男と「クスリ」をやっているらしい。
もうすぐ、日本全体が、このような状況に覆われるでしょう。
OECDが発表しました。先進国で2番目に、日本は相対的貧困率は米国に次ぐ2番目の高さになったようです。
OECDは、PISAを実施した機関です。
PISAは、なんのための調査だったのか、みなさん確認して下さい。
「生きるための知識と技能」のためのテストだったはずです。
無味乾燥の「基礎基本」(百マス計算やらでなんとかなる力)をはかるためではありません。
上のような子どもたちをサポートするための、ほとんどなんの機関も設備もルートも情報も、ない国、日本。
日本は、戦後史上もっとも、困難な「教育状況」に直面しています。
人々は、残念ながら、「学力なるものの向上」を叫んで、子どもをますます、学びから遠ざけようとしています。
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