夏休みはどこにいった?
昨日は東京でお仕事、
今日は夜から三次市に行きます。明日は、三次市の小学校の校内研修会です。
あのう、私に夏休みがないのは、まあ、仕方ありません。
大学の、教科教育に携わる人間は、みなこの調子でしょう。
それが、仕事、ですからね。
つまり、現場に行って、一緒に実践を考えることが。
ただ、小〜高の先生方は、ほんとに夏休みが無くなりました。
「これで世間並みになった。今まで先生たちは夏休みなどの長期の休みがあってずるかったんだ」と
のたまう人がいるでしょう。
果たしてそうでしょうか。
ここでは、「長期の休みこそじっくり研究したり実践を考えたりできるんだ」的な反論はいっさいやめて、労働時間だけで考えてみたいです。
教員以外の、会社員のみなさんには、残業手当というものがありますよね。
もちろん、「サービス」残業ばかりで全然お金がついていない、と嘆く方もおられるでしょうが、
それは、その人が悪いんです。
権利としてではなく、使用者の義務として、残業手当は払わなくてはいけません。労働者が要求するのは、当たり前のことです。
ところが、教員には、「残業」という概念がありません。したがって、残業手当というものもないのです。
つまり、教員は何時間働いても、同じ給料なのです。
そのあたりを国はどう考えているかというと、「教職調整額で対応している」といいます。
つまり、普通の公務員の給料に比べ、少し上乗せしているというのです。その額は4%です。
つまり、働いている教員もそうでない教員もみんな4%なのです。
月に30万円もらう教員には、1万2千円の教職調整額がつくというわけです。
この1万2千円を時給1000円で換算してみると12時間分です。
つまり、月に12時間残業するという額に相当するわけです。
私がのんびりした教師だった頃で考えてみます。
私の勤めていた報徳学園では、朝8時から職員朝礼でした。
従って多くの教師は7時45分までには来ていました。
まあ始業時間を8時からと考えましょう。
途中昼休みは45分としましょう。
授業は3時に終わり、そのあと終わりの会、掃除、と続きます。
その後は、補習、部活の指導(私は演劇部でした)各種委員会の会議、個人面談、などなどが続きます。大体18時ぐらいまでは仕事をします。(今から考えるとなんと早く終わっていたのでしょう)
つまり毎日8時から18時まで勤務(うち休憩45分)でした。9時間15分働いていました。
これは、とても楽な時の状況ですが、この最低限の状況で考えてみましょう。
当時は土曜日半ドンだったので、その分が確実に上乗せしているはずが、それもあえて考えないようにします。
週あたり9時間15分ー8時間、で 1時間15分あたりまえのように残業していました。
月20日働くとして、月に、1時間15分×20=25時間の残業です。
教職調整額があるのでそれをひきますが、ちゃんと計算してみましょう。
30万円もらえる人は、月に160時間働いているはずの計算ですから、1時間あたり1875円
です。先ほど計算した教職調整額は12000円でしたから、1時間あたり1875円で計算すると、6.4時間分にしかなりません。
結局私が報徳学園にいる間、月に25時間ー6.4時間=18.6時間のサービス残業をしていたのです。
1年で計算すると(8月をのぞいて)18.6時間×11=204.6時間のサービス残業です。
これを本来の労働時間8時間で割ると、およそ25日強、となるのです。
そうです。私のような、体育会系の部活でなかった私ですら、1年で25日ただ働きしていたのです。
25日。
そうです、夏休みが教師にとっても夏休みであった頃、これだけは休めなかったでしょうが、
夏休み分のサービス残業をしていたし、教師も周囲もそのことがわかったいたので、教師たちは夏休みを休んでいたのです。それは、労働者の権利として当然だったのです。
私は体育会系の部活をやっていたのではないので、夏休みは、10日ぐらいは十分とれました。
休むことは当たり前だったし、周囲もなんとも思っていませんでした。
それぐらい(夏休み以外の)毎日働いていた、と自覚していたからです。
現在、公務員の特別勤務手当が廃止や縮小しようとしています。教職調整額もその流れで考慮されるかも知れません。
私は、このような教職調整額を廃止して、時間外労働手当や休日手当を出すべきだと考えます。
そうすれば、教員がどんなに仕事をしているのか、見えると思うのです。
夏休みは、教員のシャドーワークを補充するものでした。
それをなくしていくのであれば、教員は本来の労働者の権利を要求するべきです。
夏休みをなくすことは、先進国の中ではありえないほどひどい労働状況に陥っていくことになるからです。
教師の皆さん(これには大学の先生も入っていいよ)実働時間を一度計算してみましょう。
それから給与明細をじっくりみてみましょう。
このままでは、大変なことになりますよ!!!!!!
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